伝統美を現代へ ― 其泉ブランドの系譜
賞美堂本店のオリジナルブランド「其泉」は、古伊万里(江戸時代の有田焼)の伝統美を現代に甦らせることを使命に掲げて誕生しました。
創業者の長男であり二代目を務めた蒲地昭三は、古美術に深い造詣を持ち、その審美眼で数々のシリーズを世に送り出しました。
なかでも1990年に誕生した「琳派古伊万里様式シリーズ」は、江戸期の有田焼に見られる琳派風の意匠をお手本にしています。
その華やかなデザインを、現代の食卓になじむ器へと展開し、時をこえた日本の美を日常にお届けしています。
「琳派」とは
琳派は、江戸時代に京都で花開いた日本美術の大きな流れのひとつです。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一らに受け継がれ、金銀をあしらった華やかさ、余白を活かした大胆な構図、自然を題材にした意匠などを特徴とします。
その様式美は絵画にとどまらず、工芸や染織、陶磁器の世界にも影響を与えました。
江戸期の有田焼でも琳派を手本とした絵付けが盛んに行われ、雅やかな装飾が数多く残されています。
古伊万里 ― “IMARI”と呼ばれた磁器
一方、17世紀から18世紀にかけて有田で製造された磁器はヨーロッパへ盛んに輸出されました。
この時期、ヨーロッパではまだ磁器を製造する技術が確立されておらず、東洋から輸入される磁器は大変貴重なものでした。特に有田焼は、その透き通るような白さと華やかな絵付けが、富と権力の象徴として王侯貴族に熱烈に愛されました。また、ドイツのマイセン窯をはじめとするヨーロッパの磁器製造に大きな影響を与え、その技術確立のきっかけにもなりました。
有田焼が西洋で「IMARI」と呼ばれたのは、積み出し港が有田に隣接する伊万里であったことに由来します。
当時の船積みの地名がそのまま呼称となり、いまなお世界中で「IMARI」は格調高い磁器の代名詞として知られています。
現代の暮らしへ受け継ぐ意匠
琳派の華やかな様式美と、世界を魅了した古伊万里の磁器。
二つの伝統は江戸の時代から互いに響き合い、日本美術の大きな流れを形づくってきました。
賞美堂本店は、「琳派古伊万里様式シリーズ」を通じて、江戸期に生まれた意匠を現代の食卓に届けています。
受け継がれてきた伝統の美を、日々の暮らしに寄り添う器としてお楽しみいただければ幸いです。